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イトウコウムテン

善意につけこんで


おはようございます。

おとといのネットニュースに、埼玉県の川越市のあたりで寸借詐欺を働いた容疑者が逮捕されたと載っていました。

川越市内のモデルハウスに行き、さも住宅を建てようとしているかのようにふるまって「お客様」だと認識させ、

帰り際に財布を忘れたとかで「交通費を貸してくれないか」と頼み、最終的に社員の方からお金を騙し取ったとのこと。

幸いモデルハウスで記入した住所などから身元が割れたようですが、実は・・・

あったんです。弊社も被害に遭ったことが。

7~8年ほど前のこと。

当事務所に背の高い若い男性が突然来社しました。

白っぽい服装で失礼ながら見た目はちょっとチャラチャラした感じ。

中古住宅を購入したので、リフォームか建替えるかしたいので相談に来たとのことでした。

お話を伺うと、美容師をやっているとかで、

「サロンにたまたま来たお客様と話をしていて、『伊藤工務店さんがいいよ』と紹介してもらったので来た。」

と言っていました。

間取りなとはまだちゃんとは決めていないということでしたが、地図も広げて現地の住所と名前を書き出し、

奥様が妊娠中とか今自分で店長を任されていて、これくらいの建築費が出せそうだとか具体的に話をされていたので、

こちらも真剣にご相談を受けておりました。

ところが・・・

1時間ほど話をして後日また詳しく打合せをしましょうということで話が終わると、焦った様子で

「タクシーで来たが、タクシーに財布と携帯を置いてきてしまった。」

と言うのです。

「自分の携帯に電話してみるので、電話を貸してくれ。」

と言うので、貸すと電話をし、タクシーの運転手(?)が出たようで話をしています。

その後は

*財布と携帯はタクシーにあったが、そのタクシーが遠方に出てしまっていて、すぐには戻れない。

*これから大事な先輩と会う約束があって阿佐ヶ谷へ行かなくちゃならない

*どうしよう・・・

とオロオロする様子。

結局

「必ず返すので、電車代を貸してもらえないでしょうか?」

と言ってきました。

先輩の電話番号もわからないし、どうしても夕方6時までに待ち合わせ場所にいかなければならない。

タクシーを待っている時間は無い。(そのころは夕方4時半ごろでした。)

弊社としては内心、話がちょっとおかしいなと思いながらも、“万が一、本当に建築を考えている人かもしれない”ので無碍にもできず、

「1000円でもいいので貸してほしい」となんだかんだ粘られ、伊藤がとうとう数千円をポケットマネーから貸してしまいました。

その男性は体育会系みたいに

「自分、必ず返しますんで。ほんと、ありがとうございます。」

と丁寧にお礼を言ってお帰りになられましたが、

当然書かれていた連絡先も出鱈目。

もちろん二度と弊社を訪れることはありませんでした。

電話していたのもフリか詐欺仲間かにかけていたのでしょう。

お話を聞きながら「交番へ行けば、交通費を貸してくれるみたいですよ」と言おうとも思ったのですが、

上記の“万が一”を考えるとそうも言えず。

人の善意につけこんで騙すようなことを平気でする人がいるんですね。

まさか事務所に客を装ってくるとは思いもしませんでした。

街中でも財布をなくした、置いてきたと困ったように見せかけて、

交通費を貸してくれと言ってくる寸借詐欺があるようです。

ご注意くださいね。

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